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 経営品質協議会

 (財)日本生産性本部



 

 株式会社スーパーホテルは、低価格で顧客のニーズに応え、かつ、高い稼働率を実現するためのビジネスモデルが、日常業務にも根付いて確実にその成果を上げており、本部の各部署が協力し合いながら連携してその支援を行い、新たなサービスの開発とそのスピーディーな展開がローコストオペレーションの強化と両立して行なわれている。
さらに、経営品質向上会議によって、組織目標実現のための各部門の方向性の策定から進捗確認、見直しまでを各部門間の整合性を取りながら指標の改廃も含めて行い、業界NO.1ホテルチェーンとして確固たるポジションを築き、高い顧客満足度や社員満足度、良好な財務結果などの成果に結びついている。
以下が今回の審査で高く評価された点である。


 独自のビジネスモデルに沿って各店舗、本部でローコスト運営が徹底され、本部主導によるその標準化と各店舗への展開も行われ、組織全体でのローコストオペレーション力の更なる強化による収益性の向上につなげている。また、単に業務を効率化することだけを目的とせず、効率化したことで生まれる余力を顧客サービスに振り向けることにより、顧客満足度の向上につなげ業界内で最高位の評価を受けるに至っている。


 本部の各部門は、日常的な情報交換のみならず、定期的に開催される会議体も通じて、他の店舗支援部門等と相互に連携し、定期的な各種会議体や部内レビュー等を通じて不具合の改善や未然防止策の検討が行われる仕組みを確立している。本部の各部門が日々の店舗支援に従事することで、ホテル経営の経験が浅い、経験に差のある支配人、副支配人に店舗運営を任せても円滑に店舗が運営され、その結果、支配人、副支配人の高い満足度も得るという成果を上げている。

 
 各店舗での運営計画の策定レベルのばらつきを課題として、「店舗運営計画策定マニュアル」を作成するとともに、戦略策定支援ツールとして、「地域NO.1と稼働率推移によるマトリックス分析」を開発し、ゾーン毎の基本戦略を定め、その実施と検証を行い、各店舗が作成する運営計画のレベルアップにつなげ、稼働率の向上につなげている。

 
 経営幹部、管理職が月1回参加する経営品質向上会議によって、組織目標実現のための各部門の重点実行活動の策定からその進捗確認、また、それらの見直しまでを各部門の進捗状況や不具合の発生等も含めて部門を越えて率直に意見交換している。さらに、各部門間の整合性を取りながら全体最適な活動のあり方を財務情報(結果指標)中心からプロセス管理に目を向けた指標の改廃も含めて行い、その成果を上げている。この根底には、部門長までを「経営幹部」として権限委譲を行うなど、リーダーシップの在り方の変革を行い、それを受けて幹部・管理職が意識や行動の変化を起こしていることがあるものと思われる。

 

   

●設立

1989年12月

●代表者 会長 山本 梁介
●本社所在地 大阪市西区西本町1-5-9 CE西本町ビル
●事業拠点 93店舗
●資本金 6750万円
●売上高 158億円(平成21年3月末日)
●利益 14.2億円 (平成21年3月末日)
●従業員 265名(平成21年3月末日)
  ※記載されている情報は受賞当時の情報です。

            

 
 株式会社スーパーホテルは、1970年に大阪でシングル向けマンションを経営する会社を設立したことに始まります(現在、別会社にて5,000室を管理)。1989年、その経営ノウハウを活かして、株式会社スーパーホテルを設立しビジネスホテル業界に参入しました。当初は「ホテルリンクス」というシリーズ名で6店舗展開しましたが、1997年、時代の変化を今後の成長機会ととらえ、日本初の本格的バジェットホテルとして「スーパーホテル」の1号店を博多にオープンしました。以後は旧来型の「ホテルリンクス」のスーパーホテル転換を行ないながら、スーパーホテルシリーズを全国に展開してきています。平成21年には、ロハス(健康と環境)を新しい価値提供とするスーパーホテルLOHAS JR奈良駅をオープンし、現在では全国で93棟、10,369室を運営しています。
  スーパーホテルの経営理念は、「世界的レベルでの質の高いサービス」を提供し「時代を先取りする創造的な企業」を目指すことです。そして、主たるターゲットである頻繁に出張するビジネスマンに対して、「安全・清潔・ぐっすり眠れる」スペースを創造し、「お客さまに元気になっていただく」ための、ぐっすり眠れるLOHASなホテル作りを進めています。

 
 スーパーホテルの創業から30店舗を展開するまでは、スーパーホテルのビジネスモデルを維持しつつ、会長のアイデアをそのまま伝えることで組織を動かすことができました。また、組織全体のマネジメントも会長が統率することもできました。しかし、30店舗を超えた7年前より、会長が指示してその通り社員が実行するというスタイルではうまく成長しないことに気づきました。経営者の意図が現場に伝わらないことも多くなり、ビジネスモデルの価値を現場で展開する難しさを実感しました。そこで、これまでの方針指示型の経営スタイルからの変革が必要になりました。ちょうどこの時期に「経営品質」の考え方に出会い、経営品質向上プログラムを活用して全員参画の経営スタイルの変革に当たってきました。部門長への権限移譲を進めるとともに、経営幹部である部長や重要な役割を担う管理職が参加する「経営品質向上会議」を毎月開催し、そこにおいて、戦略的に重要なテーマについて議論し、その過程を通じて参加者の経営へのコミットを高めるとともに、「自律と感動」の人材像を明示し、社員一人ひとりが経営者の意識をもち、日々の仕事にあたる、全社員参画経営の核としての人材育成を図っています。

 


    株式会社スーパーホテル  取締役 北原 秀造
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